2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

おかえりブリュノ

「聖典」とも呼ぶべき書籍が、誰しも一つや二つは有ると思う。僕にとってそれはミシェル・ウエルベックの『素粒子』で、それまではクラシカルな意味の非モテに属していた僕が、『素粒子』を読んだことによって「ウエルベック的な含みを持った」非モテにダウ…

10年卓上日誌

10年前、童貞を喪失した。相手は堀之内の高級ソープ嬢だった。この世には、テーマパークの各種アトラクションを順路通りにこなしていく人間がいて、一方では、入口で手をこまねいて初めの一歩を踏み出せない人間がいる。流れに乗れなかったという焦りを、…

いまさらウーマロタックル

スーファミ実機でFF6をクリアしてしまった。しまった、というのは、他に片付けるべき雑務、支払い・今後の準備・編集作業・労働行為を有耶無耶にした時間の墓場の上にスーファミの長期プレイングという新しい墓をぶっ立てているからで、物理的にゴミ山の上で…

終わり良ければ全て良し

原因不明の怪現象に悩まされている。漱石の『それから』を読もうとすると何処にも見当たらない、という現象。『それから』は、あらゆる文庫本の中でも格別に無くなりやすい。高校生の頃に、たまたま手にした『三四郎』に夢中になり、三部作をまず読破しよう…

失われた未来を求めて

飼っているメダカが死にかけている。というか、死んでしまった、二匹。あと八匹生き残っている中でも、三匹がおそらく「水カビ病」という病に冒されていて、体表面に白いワタのような病巣ができ、フラフラと力なく泳いでいる。危険域にいる三匹は、塩をまぶ…

恥ずかしながらゴミ屋敷に住んでいる。仕事でも対人関係でも、恥を晒して振る舞っているつもりだけど、部屋の散らかりに関してはネタとしても話すのが躊躇われ、トピックとして一線を引いてしまっている。そもそもゴミ部屋以外のことにしてみても、ぼくは虚…

忌み子に生まれて

珍名というほどではないが、母数の少ない苗字に生まれた。「〇〇という字に、■の■で、〇■です」と、これまで何度説明してきただろうか。しかも活舌が悪いので、たいていは間違って伝わるし、訂正するのも面倒なので放っておくことも多い。 生まれは関東だけ…